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 院長 佐藤 伸也

2024年 新年のご挨拶
 新年明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いいたします。
 今回、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類感染症に移行してはじめての年末年始となりました。時に流行はあるものの2019年以前の光景が戻ってきており、2024年は明るい年になって欲しいなと思っていたのも束の間、1月1日午後に能登半島地震(M7.6、震源の深さ15㎞)、1月2日には羽田空港でJALの飛行機と海上保安庁の輸送機が滑走路上で衝突するという大事故をテレビで目撃し、暗澹たる気分で仕事始めを迎えております。前者については私が大学生になって以降でも北海道南西沖地震(1993年、奥尻島が津波で壊滅的被害)、阪神淡路大震災(1995年)、新潟県中越地震(2004年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)などが死者数の多い震災被害として思い出されます。5-10年ごとに発生している計算になりますが、政府の初期対応が毎度のこと鈍重に感じるのは私だけでしょうか。一方、後者についてですが、私は医療事故予防の観点から航空機事故についての動画や資料をネットでよく見るのですが、今回の事故は1991年2月1日に起きたロサンゼルス国際空港地上衝突事故と発生状況が非常に似通っています(PM6時前後に非常に多忙な国際空港での発生。離陸しようと滑走路上に停止していた小型機に、着陸してきた大型機が後方から衝突。航空管制上のミスが事故の主因。本事故の詳細はネットで検索してみてください)。このような過去の失敗事例は航空業界ではよく学ばれており、対策されてきたわけですが、それでも今回の羽田空港の事案が発生したことになります。今回の羽田の件も詳細に原因究明がなされ、それなりの対策が出されるとは思います。ただ、今回の地震対応も飛行機事故も、社会的な理由から根本原因を正せず、未来においてまた同じ景色が生じるような気がしてなりません。過去を学び、失敗に学んだつもりでも、色々な方面に忖度して根底にある原因を除去できなければ、なお歴史は繰り返すということでしょうか。私も肝に銘じたいところです。

2023年1月5日

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