院長職引き継ぎのご挨拶
 本年7月にやました甲状腺病院は15周年を迎えました。これを機に院長職を佐藤伸也院長に引き継ぎ、理事職に専念することに決意いたしました。ここに改めてご挨拶申し上げます。
 当院は甲状腺・副甲状腺疾患の専門クリニックとして開院いたしました。当初は手術を要する患者さんには原三信病院の開放型病床を利用させていただきました。しかし、患者さんが増えるにつれて適切な治療を継続するには甲状腺内科医・外科医を育てることも必要と考えるようになりました。そこで、平成24年1月に医療法人福甲会やましたクリニック(有床診療所)を開設、そして平成29年4月よりやました甲状腺病院として診療を行っております。佐藤院長は原三信病院勤務(当院の患者さんを受け持つ)を経て、有床診療所開設時に福甲会に入職いたしました。そして、耳鼻咽喉科と外科の二領域の専門医としての力量を存分に発揮し、当院の発展に大いに貢献しております。今回、診療部門の責任者として益々発展させてくれることを期待しております。
 当院は診療部門が短期間で急成長してきましたが、診療に関わる職員の確保・教育で手一杯となり、事務部門の人材が十分ではありません。佐藤院長に診療部門を任せることにより、私はそれ以外のことを充実させる予定です。新体制で、“甲状腺・副甲状腺を病む患者さんに適切な治療を継続して行う”理念のもとに、売り手よし(職員・病院にとってよし)、買い手よし(患者にとってよし)、世間よし(環境にとってよし)の病院運営を目指していきたいと考えております。何卒よろしくお願い申し上げます。
令和3年10月1日

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やました甲状腺病院
理事長 山下 弘幸

院長就任のご挨拶
 2021年10月1日付で福甲会やました甲状腺病院の院長に就任しました佐藤伸也です。甲状腺外科医を志し、2009年4月に札幌より福岡に移り、前身のやましたクリニックでの勤務を開始して10月でちょうど12年半になります。それ以前は勤務医の常として大学の関連病院を1-3年毎にローテーションで勤務しておりました。ローテーションで回る意義として多様な施設の方針や技術を経験できるという利点はあるものの、欠点として継続性を持って患者さんの診療を行えない点が挙げられます。自分で手術をした患者さんの数年後、5年後などの経過を見れないことは、外科医の技量向上という点では非常にnegativeに働くものと私は考えています。その点で、同一施設で継続して診療に携われたこの12年半は外科医人生の中でも実りの多い期間でした。このような機会を与えていただいた山下理事長、および山下理事長に私を紹介していただいた藤堂省先生(前北海道大学第一外科教授、現聖マリア病院研究所所長)、当初の私の勤務先として受け入れていただいた江口徹先生(原三信病院副院長)にこの場で改めて御礼申し上げます。
 当院は甲状腺・副甲状腺疾患の専門病院ですが、甲状腺・副甲状腺疾患は内科、外科疾患に関わらず長期の療養を必要とするものが多く、10年、20年と通院される患者さんも多くいらっしゃいます。その意味で、「継続性」が重要とされる分野です。しかしながら、大学病院や国立病院、日赤、済生会などの大病院では、先に私の例で示した通り医師の人事異動が頻繁で、継続的な診療という点で難しい面があります。よく、私の外来でも「…病院だと医師が毎回変わり、説明も少しずつ違う」、「…病院の…先生が退職され、次の先生はあまり甲状腺が得意でないので、やました甲状腺病院を紹介された」などと言われて来院される患者さんがいらっしゃいます。山下理事長は開院当初から「継続性」の担保を当院の重要なミッションの1つとして位置付けておりましたので、今後も「継続性」を持った診療体制の維持及びその改善に努めていきたいと思っております。
 「継続性」の維持という点で、人材の確保は非常に重要です。当院は私の入職以降も少しずつ医師が入職し、現在9名の医師が勤務しておりますが、大病院のような人事の移動がなく、安定した体制で診療が行われているのが恵まれた点であります。しかしながら、診療規模の拡大や継続性の維持の点から、今後さらなる人材の充足が必要と山下理事長ともども痛感しております。今回、若輩の身である私が院長に昇任しましたのも、この点を解決する1つの策と考えております。高校で習った中国の古典「十八史略」の逸話に「先従隗始/先ず隗より始めよ」の逸話があります(下に原文)。元々は「優秀な人材を求めるなら、取るに足りない人材でも優遇せよ。さすれば優秀な人材は自ずと集まってくるものだ」という趣旨です。その目論見通り、後に郭隗らは楽毅などの優れた人材を招き入れています。当院も楽毅のような優れた人材に来ていただく形になればなどと思っております。そのためにも今まで以上に診療・研究体制の充実に努めていきたいと思います。

以上、簡単ではありますが、就任の挨拶とさせていただきます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
令和3年10月1日

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やました甲状腺病院
新院長 佐藤 伸也

「先従隗始/先ず隗より始めよ」

(原文)
燕人立太子平為君。是為昭王。弔死問生、卑辞厚幣、以招賢者。
問郭隗曰、「斉因孤之国乱、而襲破燕。孤極知燕小不足以報。誠得賢士与共国、以雪先王之恥、孤之願也。先生視可者。得身事之。」
隗曰、「古之君、有以千金使涓人求千里馬者。買死馬骨五百金而返。君怒。涓人曰、『死馬且買之。況生者乎。馬今至矣。』不期年、千里馬至者三。今、王必欲致士、先従隗始。況賢於隗者、豈遠千里哉。」
於是昭王為隗改築宮、師事之。於是士争趨燕。

(書き下し文)
燕人、太子平を立てて君と為す。是を昭王と為す。死を弔ひ生を問ひ、辞を卑くし幣を厚くし、以って賢者を招く。
郭隗(かくかい)に問ひて曰はく、「斉、孤の国の乱るるに因りて、襲ひて燕を破る。孤極めて燕の小にして以つ報ずるに足らざるを知る。誠に賢士を得て国を与に共にし、以つて先王の恥を雪がんこと、孤の願ひなり。先生、可なる者を視せ。身之に事ふるを得ん。」
隗曰はく、「古の君に、千金を以って涓人をして千里の馬を求めしむる者有り。死馬の骨を五百金に買ひて返る。君怒る。涓人曰はく、『死馬すら且つ之を買ふ。況んや生ける者をや。馬今に至らん』。期年ならずして、千里の馬至る者三。今、王必ず士を致さんと欲せば、先づ隗より始めよ。況んや隗より賢なる者、豈に千里を遠しとせんや。」
是に於いて昭王隗の為に改めて宮を築き、之に師事す。是に於いて士、争ひて燕に趨く。

院長を含めた役職変更は下記の通りです。
山下 弘幸理事長院長・理事長
佐藤 伸也院長副院長
進藤 久和副院長外科部長
森 祐輔外科部長外科医長
大迫 智弘内科医長

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